広大な帝国の安全保障、千万の人々を養う食糧の確保、そして金融危機や大災害への対処。アウグストゥスから帝国を引き継いだ四人の皇帝は、その責務を果たせたのか。「恐るべき」と形容された第二代皇帝ティベリウス、愚政の限りを尽くし惨殺されたカリグラ。悪妻に翻弄され続けたクラウディウス。「国家の敵」と断罪されたネロ。悪名高き皇帝たちの治世の実態とはいかなるものだったのかが明かされる。

ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロ―帝政を構築したアウグストゥスの後に続いた四人の皇帝は、人々の痛罵を浴び、タキトゥスら古代の史家からも手厳しく批判された。しかしながら帝政は揺るがず、むしろその機能を高めていったのはなぜか。四皇帝の陰ばかりでなく光も、罪のみならず功も、余すところなく描いて新視点を示した意欲作。ローマ史を彩る悪女・傑女も続々登場。

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