カルタゴを滅亡させ、地中海の覇者となったローマ人。しかしローマには停滞と内乱の世紀が訪れる。敵は自らの内にあり――。護民官となって既得権階層の代表であった元老院と対決したティベリウスとガイウスのグラックス兄弟。国政改革に着手したガイウス・マリウスとルキウス・コルネリウス・スッラ。岐路を迎えるローマ帝国の行く末を案じた改革者たちの物語。

ハンニバルを倒し、帝国カルタゴを滅亡させ、一気に地中海の覇者となったローマ人。しかし大国への道のりの速さゆえに、ローマは内部から病み始める。権力が集中しすぎた元老院に対して改革を迫る若き護民官グラックスは同国人に殺され、続く改革者たちも、内なる敵に向き合わねばならない―ローマ人はいかにしてこの“混迷の世紀”を脱脚するか。

 ・ amazon kindle : 3. 勝者の混迷(1994) / BELLORUM CIVILIUM